コウノドリから学ぶ産科知識④特別養子縁組という選択
「自分で産むのではなくても、誰かの親になるという選択肢がある」
日本の里親制度を知っていますか?
日本には、事情があって親と暮らせない子どもたちが45000人います。
「親が逮捕された」
「暴力をふるわれている」
「食事を1日1回しか与えられない」
こんな子どもたちも、たくさんいます。
「お父さん、お母さんがほしい」
一方で、「子どもが欲しくても授かれない」というカップルもたくさんいます。
そうした子どもたちとカップルをつなぐのが里親制度です。
コウノドリの中では「特別養子縁組里親」の制度が紹介されています。
10代で妊娠したカップルが、「自分たちでは育てられない」と
産まれた子どもを里子に出す…というストーリーです。
まだ観たことがない方はU-NEXT で観られますので、ご覧ください。
3つの里親制度
季節・週末里親
ずっと育てるのは難しくても、お正⽉や⻑期休みの、週末などに数⽇〜1週間程度、⼦どもを家に迎える⾥親です。
※地域によって呼び⽅や仕組みが異なります
養育里親
養育里親は原則として0歳~18歳までの要保護児童を、一定期間養育する里親です。
必要な場合には、20歳未満まで措置延長できることとされています。
里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権者となります。
また、障害のある子どもや精神的なケアが必要な子どもを預かる「専門里親」という制度もあります。
特別養子縁組里親
「特別養子縁組」とは、子どもの福祉の為の制度です。
子どもは実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度です。原則15歳未満の子どもが対象となります。
どうしたら里親になれるの?
里親の要件
里親になるためには、基礎研修や登録前研修といった、参加に必要な研修をいくつか受けなければいけません。
(※3年以上の児童福祉事業経験等を有する希望者については基礎研修が免除されます)
その後、「本当に里親になっていい人なのか」を見極める調査を受け、晴れて認定となります。
また、要件として下記4つが明確に示されています。
・要保護児童の養育についての理解および熱意と、児童に対する豊かな愛情を有していること
・経済的に困窮していないこと
・養育里親研修を修了していること
・里親本人またはその同居人が欠格事由に該当していないこと
年齢制限はあるの?
里親の年齢については、25歳以上であれば、高齢の方でも可能です。
60代、70代の里親も多くいます。
ただし、特別養子縁組制度を活用したい場合には、自治体によっては、親と子どもの年齢差を40歳~45歳程度に制限しているところもあります。
独身でも里親になれるの?
夫婦でなくても、未婚の男性、女性でも里親になることは可能です。
里親として、きちんと養育するのであれば、仕事をしている時間、保育園に預けることも可能です。
養子縁組を前提とした里親もありますが、特別養子縁組の場合は、「婚姻している夫婦」が条件となります。
この回では、コウノドリ先生自身が施設出身であることが明かされています。
わたしは児童養護施設にボランティアに行っていた経験もあり、
この制度には非常に思い入れが強いです。
みんな子どもは変わりません。健やかに育つのが一番。
でも、「何でわたしにはママがいないの?」と聞かれたことがあります。
何も答えられなくて、悔しかったです。
不妊症で子どもを授かれなかった方にとっても、良い制度だと思っています。
「子どもが欲しい人」に少しでも
この制度が目に留まってくれるといいなと願いを込めて。
この記事は何度か書きたいと思います。
里親についてもっと詳しく知りたい方は