りんご秘書の産婦人科日記

このチャンネルでは婦人科疾患・不妊治療・妊娠中の病気など職場で得た知識をアウトプットします

逃げ恥から学ぶ社会問題③無痛分娩

こんにちは、りんごです。

 

本日は前々回からの続き、第3弾!

無痛分娩についてのお話をしていきたいと思います。

 

併せて以下の記事もご覧になりたい方はどうぞ

『逃げ恥から学ぶ社会問題シリーズ』

第1回

第2回 

 

まだ逃げ恥をご覧になっていない方はU-NEXT でどうぞ。

 

前回もお話したように、ドラマの中では「計画無痛分娩」と言われていました。

これは「計画分娩」+「無痛分娩」の造語です。

 

新垣結衣さん(みくりさん)の発言の中に、とても面白いものがあって、

 

「準備ができてしまうと暇ですね」

 

これ結構その通りで、準備ができてしまうと、無痛分娩は痛みも弱いので、暇です。

お産が進むまでは、本を読んだり携帯をいじったり…

たまにゲームを持ち込んでいる方もいます。

 

では、無痛分娩はどのように進めていくのでしょうか?

 

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暇だにゃ

 

 

無痛分娩とは

無痛分娩は、麻酔を用いて陣痛の痛みを和らげる分娩法です。

(和痛分娩ともいわれます。)

日本で行われている無痛分娩の多くは硬膜外麻酔という麻酔法を使用しています。

硬膜外麻酔では、腰や背中に細いチューブを挿入し、そこから麻酔薬を入れていきます。

 

どのくらい効果が続くの?

個人差もありますが、1度の投与で1~3時間効果が続きます。

痛みが増してきたらすぐにナースコールで知らせましょう。

 

絶対に効くの?

残念ながら、麻酔が効かないという方もいます。

多くの方は1回で効き目が現れますが、効かずにチューブを刺しなおしたり、

刺しなおしても効かない方もいます。その方の体質にもよるかと思いますが、

「右側だけ効いてる」「下の方だけ効いてる」という方もいるという…不思議ですよね。

 

 

メリット

  • 回復が早い

痛みが強いと、その分いろんなところに力が入ってしまい、体力を消耗します。

無痛ではそれがなく、消耗を抑えられるので、

その後の回復が早く、産後のお世話に集中できます。

 

分娩監視モニターで赤ちゃんの心拍やお腹の張りに異常がみられた場合は、

緊急帝王切開に切り替わります。

それにかかる時間がとても短いので、赤ちゃんを早く救出できます。

なんせ、すでに麻酔を投与している状態なので、

何もしていない状態からだと30分くらいかかるところが、半分の時間に短縮できるのです。

 

  • 縫合のときも痛くない

痛くないのは何もお産のときだけではありません。

お産のときに膣に裂傷、切開があった場合は、それを縫合します。

これがとにかく痛い

人によっては体をよじってしまったり、動いてしまう方も多く、

先生たちも慎重に進めます。

無痛分娩では、この縫合も痛くないんです!

少し多めに、丁寧に縫ってもらいたいですね。

 

デメリット

  • お産の進行が遅くなる

麻酔薬の効果で、陣痛が弱まりますので、少し進行が遅くなります。

 

これが計画分娩との併用時の最大の問題点だと考えられていて、

麻酔で遅くなっているのに、計画分娩では陣痛を早く来させようとしている…

矛盾していますよね。

 

そのため、促進剤をかけても人によっては陣痛が始まりません。

私の知っている限り、1週間も陣痛が始まらず、

「もう帝王切開にしてほしい」と泣いている方もいました。

 

  • 費用が高い

病院によりますが、無痛分娩は自然分娩に比べて費用が高くなります。

都内では3万円~10万円まで幅があります。

裏話ですが、これはその病院が

どの程度無痛分娩を勧めているかの指標と思ってください。

 

個人的見解ですが、あまりにも追加代金が高いところは

「自信がない」と堂々と言っているようなものですから、

そもそも選ばないほうが良いかと…。

 

  • 病院選びが大変

無痛分娩を行っているところは最近増えてきましたが、

24時間無痛分娩ができる病院は多くありません。

計画分娩でない場合、陣痛はいつ来るかわかりませんよね?

いざ、陣痛が夜中に来て病院に到着したら「麻酔ができる先生がいない」という状態になることもあります。

選んだ病院が24時間対応しているのか、しっかり聞いておくことが必要です。

 

 

本当は無痛ではない!?

「無痛分娩って名前をやめてほしい」と、先生たちはよく話しています。

『無痛』と聞くと、「まったく痛みがない」と思われがちですが、

本当に良い無痛分娩は、痛みを少しだけ残した状態なんです。

少しも痛みがないと、いきむ感覚もなくなってしまったり、

陣痛がどのくらいの感覚で来ているのかもわからなくなってしまいます。

 

英語では無痛分娩のことを「Painless Delivery=痛みの少ないお産」と言います。

これに日本であてはまるのは「和痛分娩(痛みを和らげる分娩)」ですね。

 

患者さんから「痛かったんです、無痛にしたのに」と言われることがあるそうです。

いえいえ、それでも痛みはだいぶ和らげられているんですよ。

 

特に初産の方には違いがわかりづらいと思いますが、

2人目から無痛にしたという方は「全然違いますね」と言っています。

1人目の痛みが忘れられない…と無痛を選択される方も多いんですよ。

 

無痛分娩には病院選びが一番だと思います。

ぜひ調べてみてください。

 

それでは、今日はこの辺で。

3回に分けた逃げ恥から学ぶ社会問題シリーズも最後です。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

では、次回の記事でまたお会いしましょう~