りんご秘書の産婦人科日記

このチャンネルでは婦人科疾患・不妊治療・妊娠中の病気など職場で得た知識をアウトプットします

ピルの役割の誤解

 

前回の記事で出てきた、ピルの効果について今回は書いていきます。

前回の記事をまだご覧になっていない方はこちら

 

ykcreate-channel.hateblo.jp

 

皆さんはピルにどんなイメージを持っていますか?

 

日本には、非常に否定的な意見が多いように思います。

 

 

あの子は遊んでる

飲むと太るらしい

体に悪い

 

 

わたしには年の離れた姉がおり、昔から彼女がピルを飲んでいたので、

あまり抵抗はありませんでした。

 

そして、私自身も2015年の卵巣嚢腫の手術前年から、ピルを飲むようになりました。

 

 避妊のためだけではない、重要な役割があるのです。

ピルの効能、副作用なども含めて、お話していきます。

 

 

 

ピルの避妊に対する効果

 

この3つは、ピルが女性ホルモンをコントロールすることにより、実現されます。

正しく内服できれば、ほぼ100%に近い割合で避妊も可能です。

 

 

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子宮と卵巣のおさらい
排卵自体を抑制する

ピルの中には女性ホルモンが含まれています。

この女性ホルモンが、卵巣から出ているものと身体が勘違いし、脳内の排卵中枢に抑制をかけるのです。

 

受精卵を着床しにくくする

これには多数の要因がありますが、子宮内膜が薄い状態を保つため、着床しにくい状態になったり、受精卵が子宮内で生存するエネルギーを減少させてしまう作用があります。

 

精子を子宮に入りにくくする

子宮と卵管の運動性が変化し、子宮に精子が入りにくくなります。

 

 

そしてこの3つの役割が、以下のような月経でお困りの方や婦人科疾患への効果も生んでくれます。

 

ピルの月経(生理)に対する効果

 

月経周期が正しくなる

生理不順の場合、周期が正しくなることが期待されます。

正しく飲めば、大事な予定の日に生理が来ないよう、調整することもできます。

 

「受験がある」

海外旅行の日にはあてたくない」

 

など、

さまざまな理由で皆さん、コントロールされているようです。

 

月経困難症の改善

生理痛や出血量の多さでお悩みの方は、痛みが少なくなったり、

出血量が少なくなったりすることが期待できます。

それに伴い、月経時の貧血も改善されます。

また、生理中だけでなく、生理前のイライラや過食にお悩みの方は、

そういったことが少なくなり、安定した日常生活を送ることができる可能性が高いです。

 

子宮内膜症の改善

ピルを服用すると、卵巣はお休みの状態となり、子宮内膜が薄くなります。

これが婦人科疾患の予防・改善につながります。

 

 

実は婦人科疾患は現代病!?

非常に興味深いのが、婦人科疾患が晩婚化や少子化とかかわりがあるということです。

昔と比べて出産回数が減ったことや初産が遅くなったことで、

月経や排卵が休むことなく繰り返されるため、

子宮・卵巣に負担がかかることが原因ではないかと指摘されています。

 

 

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これはピルじゃありません

ピルの副作用

太るというのは誤り!

「ピルは太る!」という誤った認識がありますが、それは誤りです。

むしろ月経ストレスの減少により、安定すると思いますし、

科学的にもそういったエビデンスはありません。

それでは、他にどういった副作用があるのでしょうか?

 

 

浮腫み

これが「ピルは太る」という誤りに関係があると思われます。

女性ホルモンには水をため込む作用があり、浮腫みが気になることもあります。

ただの浮腫みならいいですが、

しびれを伴ったり、痛みを伴う場合は、血栓症の可能性がありますので、

服用を中止し、医師に相談しましょう。

これが最も怖い副作用です。

 

 

吐き気・倦怠感・頭痛

女性ホルモンのバランスが乱れていた人ほど、最初は悩まされますが、

相性のいいピルが見つかれば、1-2か月で改善されます。

ほとんどは軽度で、「あ、ピルのせいかな?」と思う程度です。

ご不安な場合はその他の症状がないかも確認し、医師に相談しましょう。

 

 

不正出血

ピルはある程度、同じ時間に飲まないといけません。

例えば最初20時ごろに飲んでいたら、ずっと前後1時間の間に飲むのがいいです。

これをわかっていない方が意外と多い!

 

知らずに翌日は朝、翌々日は昼とバラバラの時間帯に飲んでいると、不正出血の原因になります。

 

 

わたしの場合

卵巣嚢腫が発覚したのは2014年。そして手術は2015年です。

手術を受けるまでに、1年の間がありました。

その間何をしていたかというと、ピルを服用して、腫瘍がどうなるかを経過観察していました。

服用を始めたころは倦怠感が気になることもありましたが、すぐになくなりました。

 

最初は7cmほどだった膿腫が、1年後に5cmになりました。

少し小さくなったのです。

 

そこから改めて、

「この大きさなら取れる」

ということで、手術という運びです。

 

その後も筋腫が残っているため、

現在も進行させないためにピルはずっと服用しています。

ただ、途中で出血量が増えてきたり、生理痛がひどくなったりすることもあったので、

医師に相談して種類を2回変えました。

 

今は3種類目です。

 

ピルには種類がある

中用量ピルと低用量ピルがあります。

違いはエストロゲンの配合量です。

ホルモンの配合量が多いということは、効果が高いということになります。

 

そのため、中用量ピルは薬を飲み忘れても

低用量ピルよりも影響を少なくできるというメリットがありますが、

その反面で、中用量ピルは成分が強いことから副作用のリスクが高くなります。

 

 

用法用量は守ること

どんな薬でもそうですが、用法用量は守ることを心がけましょう。

特にピルは時間的なしばりもあるため、面倒だと感じるかもしれませんが、

少なくとも月経に対して何か問題を抱えている方は

一度試してみるといいかもしれません。

 

産婦人科で一度ご相談ください。

 

お値段はだいたい、1か月分2000円~2500円くらいです。

保険が効く場合もありますので、詳しくはこちらのサイトがわかりやすいです。

 

www.matono-womens.com

 

それでは、また次回、お会いしましょう!