りんご秘書の産婦人科日記

このチャンネルでは婦人科疾患・不妊治療・妊娠中の病気など職場で得た知識をアウトプットします

コウノドリから学ぶ産科知識①NIPT(新型出生前診断)

こんにちは、りんごです。

本日からは、コウノドリから学ぶ産科知識シリーズを書きたいと思います。

 

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涙なくして観られません

 

産婦人科を扱ったドラマの最高傑作といわれるコウノドリには

必要な知識が詰まっており、漫画、ドラマともに高い評価を得ています。

 

まだ観たことがない方はU-NEXT で観られますので、ご覧ください。

今回はその中で、NIPT(エヌ・アイ・ピー・ティー)の知識について取り上げたいと思います。

コウノドリの中では、2組の夫婦がNIPTを受けたあとの葛藤のお話が取り上げられています。
実際のダウン症の子が登場しており、生まれた子どもの育て方のお話や、決断までの苦悩などさまざまなことが描かれ、とても参考になります。

 

 
NIPTとは

無侵襲的出生前遺伝学的検査のことで、赤ちゃんが生まれる前に染色体異常の有無を調べる方法の一つです。2012年に「新型出生前診断」としてメディアに取り上げられ、大論争を巻き起こしました。(当時の読売新聞記事はこちら)

検査方法

母体から少量の血液を採取して胎児のDNAを解析します。
従来の検査方法はお腹に針を刺したり(羊水検査)、

胎盤の組織を採取したり(絨毛検査)と一定のリスクがあったのに対し、

NIPTは危険が少なく、精度99%という点が衝撃を呼びました。


ただし、確定診断ではありませんので、異常が見つかった場合は羊水検査などの精密検査を受けることも必要です。

 

検査時期

妊娠10~16週の方が対象です。

 

検査でわかる染色体異常

こんなにありますが、調べたい項目を選択することも可能です。

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こんなにあります *出典:NIPT Japan

 

 そもそもトリソミーとは

トリソミーとは、ある染色体が1本余分に存在し、合計で3本になった状態のことです。
(トリは3を意味します。トリプルとか言いますね)
その中でも、出生後の生存率、生存年数にかかわる3つの重要な染色体異常について紹介していきます。

 

 ①21トリソミー


 いわゆるダウン症候群のことです。余分な21番染色体によって引き起こされる染色体異常症の一種で、知的障害と様々な身体的異常がみられます。
詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

 ②18トリソミー


エドワーズ症候群とも言われます。重度の知的障害や奇形、先天性の心疾患といった症状が特徴的で、生まれた子どもの生後1年での生存率は、10%未満です。
わたしはもし自分の子どもが18トリソミーと言われたら…というのは考えたくないです。


 ③13トリソミー


パトウ症候群とも言われます。
35歳以上の高齢出産の場合に見られることが多く、パトウ症候群の子の約8割に重度の心疾患が見つかります。約80%は病状が重いために生後1か月を前に死亡することがわかっており、1年以上生存できる割合は10%未満です。

 

検査場所

かかりつけの産婦人科なら、どこでもNIPTを受けられるわけではありません。
NIPT実施施設は限られていますので、妊婦健診の際に相談してみましょう。
最低限、

①遺伝カウンセラーがいるところ 
②検査結果を受け取ったあとのケアがしっかりしているところ

を選んでください。

遺伝カウンセラーの仕事については今後、また改めて取り上げたいと思います。

 


検査を受ける前の心構えとして

無症状妊婦向けPCRの記事を書いたときにも重視しましたが、
検査前に「陽性が出たらどうするか」ということを心構えとして考えておくことが重要です。


何も考えずに「自分は陰性だから」というのは、そもそも検査を受ける意味がありません。
お金も時間も、陽性が出たときの涙も無駄!

 

「命の選別だ」と周りから非難される可能性もあります。

 

ドラマの中でも

「その結果をどうするか決めずに安易に検査だけするのは無責任だ」

という星野源さん(四宮先生)のセリフが印象的でした。


万が一のときにどうするのか、それを考えておくこと、

夫婦で話し合うことが重要です。

 

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家族で話し合いましょ